茶の湯文化のバイリンガルナビゲーター 保科眞智子の活動ブログ Blog of a Japanese Urasenke tea master, Machiko Soshin Hoshina, based in Tokyo, Japan.

by MACHIKO SOSHIN HOSHINA

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なごみ六月号

駐日ヨルダン大使ご夫妻にご協力頂きました特集記事
ただ今発売中の
なごみ六月号(淡交社)に掲載されています。
日ごろより親交のある大使夫人とは、
昨年9月号の本誌巻頭の撮影協力をし、
この度は、こちらの特集をコーディネートさせて頂きました。

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副題に【日本文化とヨルダン文化の共通性に惹かれて】とありますように、
大使夫人のシーファさんは、茶の湯を、
シルクロードが繋ぐアラブ文化という独自の切り口で捉え、
それらを両文化の友情の架け橋として紹介していらっしゃいます。

古帛紗や仕覆のお裂地、お軸の表装にみるダマスク模様。
イスラムのお祈りと、茶道の鏡柄杓や正座の姿勢の類似。
お茶のお稽古で得られる平穏で心休まる時間が
日に5回のイスラムのお祈りとも共通するなど、
知日家であり茶人でもある彼女だからこその視点は、
多くの示唆に富んでいます。


記事を通して、茶の湯の国際性、
そしてイスラム文化に親近感を
少しでも見出して頂けますなら幸いです。
ぜひご高覧くださいませ。



因みに…

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掲載のアンケート『わたしがお茶を始めた理由』の冒頭の小学生は、私の娘です。
私の思いが、娘にもそれなりに伝わっていることが嬉しいです。(^o^)


それからV6の長野くん!
お茶をされるんですね。
男性にも再び茶道が広まることを期待しています。







by hoshinamachiko | 2017-05-23 18:12 | 出版物

伊勢神宮献茶式

伊勢神宮への参拝ならびに
茶道裏千家今日庵による献茶式へ参列いたしました。
当日はあいにくの小雨でしたが、
新緑はさらに色鮮やかで美しく、
神宮の懐の深さに心洗われました。


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私の大叔父である鷹司大宮司(平成29年6月退任)の話によりますと、伊勢神宮には式年遷宮を代表とする「常若(とこわか)」の精神があるそうです。



形あるものは必ず滅びる。
でも、次の世代に伝承し続けることで、
常に生き生きと永続を体現することができる。



伊勢神宮では、年間千数百回に及ぶ神様へのご奉仕が、
戦争の時も震災の時も、
1500年間に渡り一日も欠かされることなく
今日まで続いていています。



想像するだけでも圧倒されますが、
流れる空気はとても優しく穏やか…。
心清らかになる感覚は
参拝者のどなたも経験されることでしょう。



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神代、今にあり。


世界にも類を見ない、古くて新しい永遠の「かたち」。
日本の地理的、民俗的な特徴も多分にあるけれど、
自然と人間が共存共栄する、世界に誇れるサステイナブルなシステムがここに凝縮されています。



自然の恵みと共に生かされていることに、
ただひたすらに感謝をする祈り。
儀式を通して丁寧に表現される真心と
技の粋が結集する宝物の数々。
日本人が連綿と大切にしてきた「和敬清寂」の精神も、
全てここにありました。



記憶に新しいG7サミットでも
各国首脳が揃って参拝されたことは
歴史に残る象徴的な出来事でした。
戦前の国家神道への回帰など
全く的を得ない議論だと私は思っています。
母なる自然への敬虔な信仰心に国境はない。
人間として最も崇高でピュアな祈りであると思うのです。




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前日の外宮参拝に続き、
献茶式当日には、まずは内宮を参拝。
お伊勢さまには、あれこれ細々
お願いごとをしてはいけませんね。
お祈りは感謝のみ。
またここにこうして戻って来られたことは
文字どおり、有難いことです。




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献茶式では、雅楽と舞のお神楽、
そして裏千家坐忘斎お家元のお点前により、
濃茶と薄茶の御茶一服が神様に奉納されました。


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お点前には人柄がにじみ出るものと教わりましたが、
正にそのようにお見受けし大変感銘を受けました。







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献茶式の後は、
神宮茶室の今日庵席にて心洗われる茶の湯のひととき。
美味しいお抹茶と和菓子、
お心入れのお道具の数々、
耳を澄ませばサラサラ流れる五十鈴川の流れ…。
神様に最も近い場所でいただくいっぷくの贅沢なこと!!




神宮茶室は、
松下幸之助発案で10億円をかけて寄進されたお茶室。
今日庵席は、例年、こちらの広間にてお釜を掛けられます。
また、春と秋には特別公開もされる貴人茶室は、
貴人口もご立派な、最も威儀の正しい茶室と言えましょう。
これまでにたった一度だけ、
常陸宮両殿下をお招きしてご使用になったのみだそうです。



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さて、東京の日常に戻り、
夢を見ていたのかしらと思うほどのギャップ…。
いえいえ、全ては繋がっているもの。
繋げなければならないもの。
都会の真ん中での茶の湯にも、必ず意義があるはず。
自然、命、感謝。
日々の中で、もっと意識的にフォーカスしてみたいです。




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Attended the Ise Jingu shrine tea ceremony conducted by the Urasenke Grand Tea Master Zabou-sai. At the ceremony, a bowl of matcha was served to Kami - God of Sun, through the traditional ceremonial manner, followed by gagaku Japanese classic court music and dances.

With a deep spiritual atmosphere, Ise Jingu has been the pride and the symbolic faith of Japanese people for over two-thousand years. It is the center of Shinto, Japanese indigenous faith, maintained in its original form thanks to a unique retail of renewal.

While walking through the thousand-years old wood and the prayer for Kami, who is placed in a brand new shrine every twenty years for the last fifteen hundred years(!!), it is so natural to feel the gratitude towards the gift of nature and the linkage between the past and the future. There exists a very old but yet very new sustainable system of living with Mother Nature. https://www.isejingu.or.jp/en/

The same spirit underlies in the Chanoyu, Japanese tea ceremony - Harmony, Respect, Purity and Tranquility. These are what we are trying to express and share symbolically through a bowl of matcha.

by hoshinamachiko | 2017-05-16 10:08 | 茶の湯つれづれ

葉山芸術祭2017

五月の連休中に葉山文化園ギャラリー蓮にて開催された
葉山芸術祭の特別企画
湿板光画家エバレット・ブラウン氏の
『日本の面影』作品展。
このイベントに合わせたトークイベント
ゲストスピーカーとして登壇させて頂きました。


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湿板光画家であり、
ジャーナリストとしても世界的にご活躍されているエバレット・ブラウンさんは、
日本文化に造詣が深く、
各分野に人脈の広いこともあり、
内閣府クールジャパン諮問委員
などの要職も歴任されています。


私は、エバレットさんとは
いま、変革の時代に、
伝統的な日本文化を再評価することで
新しい時代を切り拓くヒントとする
平成版の文化サロン「会所プロジェクト」立上げからのご縁があり、

伝統を引き継ぐ家柄の若い世代を
湿板写真にて撮影するシリーズ"The Japanese" にも
被写体としてご協力しました。







対談では、茶の湯について、その歴史を辿り、
時代に合わせてその役目が移り変わってきたことを踏まえつつ、
いま私が思うこと、
そして未来の茶の湯のあり方を模索しました。


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スピードの速い都会での生活において
茶の湯がどのような役割を果たせるのか。


グローバル時代にあって
日本以外の国の方々が何を期待し、
何を求めて茶室を訪ねるのか。
その普遍的な価値とは何か。



お稽古という言葉の語源である、
古事記の序文の「稽古照今」(古いものを学び、それを今に照らす)が指し示すように、
不確実な時代だからこそ、
伝統に立ち返り
そこからヒントを得ることの必要性。


それらから、私なりに導き出した
今ここにあるという感覚、
マインドフルネスをキーワードに
これまでの経験を交えながら
国際的な茶会や、ヨガと茶の湯などの活動をご紹介いたしました。



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同じく登壇された、梶井宮御家流家元の藤原素朝さんによるいけばなが、会場に華やぎを添えていました。




葉山や鎌倉エリアの文化サロンということもあり、
各方面でご活躍の方々にお集まり頂き、
たくさんの素敵な出逢いもありました。



また、
「茶道に対して、ぼんやりとしていたイメージを
言葉にしてもらえて、勇気をもらえました。」
との感想を若い方を中心に頂き、
同世代が持つ茶道への想いが表れていると感じました。






最後にこちら…


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徳川将軍家の菩提寺、上野寛永寺葵の間にて、
エバレット・ブラウンさん撮影の私の肖像になります。
まるでご先祖様のようだと娘たちには言われましたが、
最後の将軍がご維新の際に江戸城を明け渡した後に蟄居されたお部屋での撮影でしたので、
そのような雰囲気が醸し出されているのも当然かもしれません。


幕末期の湿板写真という撮影法で
現代の被写体を撮ることで
日本の面影を感じ取ることができるエバレットさんの作品は
観る人をタイムスリップさせる不思議な力があります。
(撮影の秘話はあらためて!)



末筆ながら
連休中の貴重なひとときをご一緒下さいました皆様、
そして葉山文化園様に心より感想を申し上げます。
私自身にとりましても、
これから進むべき方向性を考える貴重な機会となりました。
ありがとうございました。




by hoshinamachiko | 2017-05-05 00:05 | Events イベント