おもてなし雑感
2019年 03月 21日懐石料理の原点は茶の湯にあると言われています。いっぷくの濃茶を飲み回し、主客が一体感を創り出す。この一期一会のハイライトシーンにむけてお腹を整えるのが懐石料理の由来で、懐に温めた石を入れ空腹をしのいだのがその語源です。シンプルな一汁三菜が、徐々に形を変え、贅を凝らしたもてなしの数々となりました。
ここは都内屈指の予約の取れない和食の名店。半年も前から予約を入れて下さった先輩にお連れ頂きました。入店時の心地よい緊張感、去り際の充足感と名残惜しさに、お茶事(ちゃじ。懐石、濃茶、薄茶のフルコースの茶の湯のおもてなし)に通じるものを感じました。ご一緒させて頂いた外国籍のご夫妻も大いに満足のご様子でした。
さて、ここからは老婆心…。
一流をうたうならば、サービスを提供する方も少しだけで良いのでお茶のお稽古をしてほしい。日頃からきものを着ることも心掛けて欲しい。先人が辿り着いたもてなしの完成形=茶の湯。この世界にちょっぴり触れるだけでも、より質の高い和のホスピタリティに繋がっていくのでは?すばらしいお料理の数々だっただけに、サービスで画竜点睛を欠くのは勿体ないです。
お客さんも、食べログのランキングや点数に目をくらませず、時には辛口のコメントで主客互いに緊張感のある切磋琢磨を。これまたお茶に通じるという意味で、茶の湯は日本のおもてなしの原点であり究極だなぁ。とひとり納得してしまいました。
by hoshinamachiko
| 2019-03-21 16:35
| 茶の湯つれづれ