葉山芸術祭2017
2017年 05月 05日
五月の連休中に葉山文化園ギャラリー蓮にて開催された
葉山芸術祭の特別企画
湿板光画家エバレット・ブラウン氏の
『日本の面影』作品展。
このイベントに合わせたトークイベントに
ゲストスピーカーとして登壇させて頂きました。
湿板光画家であり、
ジャーナリストとしても世界的にご活躍されているエバレット・ブラウンさんは、
日本文化に造詣が深く、
各分野に人脈の広いこともあり、
内閣府クールジャパン諮問委員
などの要職も歴任されています。
私は、エバレットさんとは
いま、変革の時代に、
伝統的な日本文化を再評価することで
新しい時代を切り拓くヒントとする
平成版の文化サロン「会所プロジェクト」立上げからのご縁があり、
伝統を引き継ぐ家柄の若い世代を
湿板写真にて撮影するシリーズ"The Japanese" にも
被写体としてご協力しました。
対談では、茶の湯について、その歴史を辿り、
時代に合わせてその役目が移り変わってきたことを踏まえつつ、
いま私が思うこと、
そして未来の茶の湯のあり方を模索しました。
スピードの速い都会での生活において
茶の湯がどのような役割を果たせるのか。
グローバル時代にあって
日本以外の国の方々が何を期待し、
何を求めて茶室を訪ねるのか。
その普遍的な価値とは何か。
お稽古という言葉の語源である、
古事記の序文の「稽古照今」(古いものを学び、それを今に照らす)が指し示すように、
不確実な時代だからこそ、
伝統に立ち返り
そこからヒントを得ることの必要性。
それらから、私なりに導き出した
今ここにあるという感覚、
マインドフルネスをキーワードに
これまでの経験を交えながら
国際的な茶会や、ヨガと茶の湯などの活動をご紹介いたしました。
同じく登壇された、梶井宮御家流家元の藤原素朝さんによるいけばなが、会場に華やぎを添えていました。
葉山や鎌倉エリアの文化サロンということもあり、
各方面でご活躍の方々にお集まり頂き、
たくさんの素敵な出逢いもありました。
また、
「茶道に対して、ぼんやりとしていたイメージを
言葉にしてもらえて、勇気をもらえました。」
との感想を若い方を中心に頂き、
同世代が持つ茶道への想いが表れていると感じました。
最後にこちら…
徳川将軍家の菩提寺、上野寛永寺葵の間にて、
エバレット・ブラウンさん撮影の私の肖像になります。
まるでご先祖様のようだと娘たちには言われましたが、
最後の将軍がご維新の際に江戸城を明け渡した後に蟄居されたお部屋での撮影でしたので、
そのような雰囲気が醸し出されているのも当然かもしれません。
幕末期の湿板写真という撮影法で
現代の被写体を撮ることで
日本の面影を感じ取ることができるエバレットさんの作品は
観る人をタイムスリップさせる不思議な力があります。
(撮影の秘話はあらためて!)
末筆ながら
連休中の貴重なひとときをご一緒下さいました皆様、
そして葉山文化園様に心より感想を申し上げます。
私自身にとりましても、
これから進むべき方向性を考える貴重な機会となりました。
ありがとうございました。
by hoshinamachiko
| 2017-05-05 00:05
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