茶の湯文化のバイリンガルナビゲーター 保科眞智子の活動ブログ Blog of a Japanese Urasenke tea master, Machiko Soshin Hoshina, based in Tokyo, Japan.

by MACHIKO SOSHIN HOSHINA

なこみ12月号 『英語DE茶の湯』

ついに最終回!
濃茶編を書かせて頂きました。


なこみ12月号 『英語DE茶の湯』_d0334837_11352960.jpg


濃茶一碗をお客様全員で分け合い、
回し飲みすることは
お客様同士の一体感を作り出します。
これは「一座建立」という言葉で表現されます。


英語では
"to build the seated-as-one experience"(一座建立)と表現し、
これが茶会のハイライトであることをお伝えします。




なこみ12月号 『英語DE茶の湯』_d0334837_11193198.jpg


茶の湯は、数ある伝統文化の中でも珍しい「参加型の体験」で、
亭主とお客さまとが、心の交流を通して
一期一会という掛け替えのない時間を創り出すことを目的としています。



心づくしのお茶席では、
文化も言葉も違う方をお招きする場面でも
心に響く豊かな時間になります。



しかし、
茶席では定型の問答以外には説明が少ないため、
大切なメッセージが伝わりきらず
あと一歩、お客さまの印象に残らないことを度々見かけ、
そのことが残念でなりません。


裏千家では英語茶道教室を設け
お点前に合わせた適切な英語ナレーションのお稽古をいたしております。
(今秋より私も末席にて講師アシスタントをさせて頂いております)



お客さまにご説明をするからには、
自らにそれだけの知識がなくてはなりません。
論理的な言語である英語で茶の湯を解説することは
そのまま日本の文化を学ぶ絶好の機会にもなると思います。



微力ながら、
引き続き様々な経験を通して
茶道と日本の美しいおもてなしの心を
世界の方々と共有して参りたいと思います。

一年間ご愛読いただき、誠にありがとうございました。


なこみ12月号 『英語DE茶の湯』_d0334837_11183346.jpg



by hoshinamachiko | 2016-11-28 11:07 | 出版物